previous

                                      中重核評価WG会合議事録(案)

日時:平成12年1月17日(月) 13:30-17:00
場所:原研本部第2会議室
出席者:浅見 哲夫(データ工)、渡部 隆(川重)、井頭 政之(東工大)、
    山室 信弘(東工大)、播磨 良子(CRC)、柴田 恵一(原研)

配布資料
MHN-99-18 	Ti,Cr,Wの中性子核データの再評価 (浅見)
MHN-99-19 	JENDL-3.3 V、59Coの評価状況 (渡部)
MHN-99-20 	鉄の評価(柴田)
MHN-99-21 	93Nb編集上の問題(柴田)
MHN-99-22	Erの評価(井頭)

議事
1. 議事録確認
 前回の議事録を確認した。

2.	Cr, Ti, Wの評価
 浅見委員より配布資料MHN-99-18に基づき説明があった。共鳴パラメータに関
しては、Crは大幅に改定し、Ti, Wは極僅かな修正にとどめた。MF6(角度・エネ
ルギー分布)はJENDL/F-99から採用する。Ti, Crの高エネルギー中性子捕獲断面積
はEGNASHで計算した。ガンマ線生成データは全て再評価された。なお、天然元
素ファイルは作らない方針である。
 古いGNASHをベースにしたEGNASHでpre-equilibrium capture (semi-direct)が考
慮されているかどうかが議論になった。

3.	V, Co-59の評価
 担当の渡部委員から報告があった(MHN-99-19)。ほぼファイル化は終了しており、
現在ファイルのチェックを行っている。なお、しきい反応についてManokhin博士
が指摘した問題点は今後検討する。

4.	鉄の評価
 柴田委員により進捗状況の説明(MHN-99-20)があった。Fe-56の共鳴領域はPerey
et al. (1990)を採用することにより、850 keV(JENDL-3.2は250keV)に拡張され
た。
Fe-56の850keV以上7MeVまでの全断面積はBerthold (1995)の天然元素のデータを
トレースし、7MeV以上についてはCarlson (1970), Perey (1972), Bethold (1995)の
デー
タをもとに最小自乗フィットにより評価値を得た。Fe-54,56の全断面積に関しては、
Cornelis (1995)のデータがあるが、既存の天然元素のデータとの整合性が悪く採用
し
ないことにした。
 一方、熱領域での断面積をJENDL-3.2とENDF/B-VIで比較したところFe-56以外
は散乱断面積に大きな差があることが分かった。(Fe-54:0.4975 b (J-3.2), 2.216
b
(B-VI); Fe-57: 0.2039 b (J-3.2), 2.622 b (B-VI); Fe-58: 6.527 b (J-3.2),
3.130 b (B-VI))

5.	Nb-93の編集上の問題
 柴田委員がNbデータの編集上の問題について説明した(MHN-99-21)。ガンマ線生
成断面積に(n,γn)成分が入っているため(n,γ)反応のエネルギーバランスが成り立
たなくなっている。もし現在のファイルを最終的なものとする場合は、コメントフ
ァイルにエネルギーバランスが成り立たない事情を記す必要があるとのコメント
があった。

6.	Erの評価
 Quick GNASHを用いてEr-162,164,166,167,168,170の断面積計算を行うとともに、
共鳴パラメータにより低エネルギーの断面積を評価した(MHN-99-22)。参考計算
として、チャネル結合光学模型の計算をしておいた方がよいとのコメントがあった。
また、直接過程は考慮したのかとの質問があった。

7.	その他
 来年度は共分散評価も行うので、適宜、重核評価WGとの合同会合を開くことに
した。

次回会合
 来年度(4月か5月) 原研本部にて

Action List
1.	評価担当者:データファイルが出来次第、柴田委員に送付。
2.	柴田:Fe-56全断面積の850keV付近の整合性をチェックする。
3.	井頭:(n,np), (n,d)で同じデータをプロットしてないか確認する。
4.	渡部:Vのデータを柴田委員に送付。
5.	柴田:VのデータをPSYCHEでチェックし、結果を渡部委員に送付。