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渡辺@九大です。

1/31に行いました第3回高エネルギーファイル作成SWG会合の
議事録(案)をお送り致します。

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シグマ研究委員会・核データ専門部会・高エネルギー核データ評価WG
高エネルギーファイル作成SWG第3回会合議事録(案)

日時: 平成12年1月31日(月) 13:30〜17:30
場所: 原研本部第6会議室
出席者: 岡本(日大)、小迫(住友原子力)、真木(日立)、村田(アイテル)
     山野(住友原子力)、山室(東工大)、義澤(三菱総研)、渡部(川重)
     渡辺(九大)、執行(九大/石橋委員の代理)、千葉、中島、深堀(原研)
     (13名、敬称略、順不同)
発表者: Korovin(ロシア・オブニンスク原子力大学)
オブザーバ: 池田一三(三菱重工)、井頭政之(東工大)、
       Artisyuk(東工大)
    
配布資料:
・HE-F-99-13 炭素、シリコン、マグネシウムの評価進捗状況(「)(渡辺)
・HE-F-99-14 高エネルギー核データファイルの評価状況(その4)(義澤)
・HE-F-99-15 クロム同位体の評価作業について(4)(小迫)
・HE-F-99-16 高エネルギーファイル作成のためのツールに関する進捗状況(深堀)
・HE-F-99-17 核データセンター収集済高エネルギー関連文献リスト(深堀)
・HE-F-99-18 Compilation of intermediate charged particle energy
                         data(深堀)
・HE-F-99-19 Induced radioactivity at accelerators(中島)

議事:
1.Korovin教授(ロシアオブニンスク原子力大学)の講演会
 SWGの議事に先立ち、来日中のKorovin教授にObninskにおける高エネルギー
核データ評価の現状について紹介して頂き、意見交換を行った。

2.前回議事録確認
 「高エネルギーファイル作成SWG第2回会合議事録(案)」の資料が準備できて
いなかったため、議事録確認は次回へ繰り越しとなった。

3.一般連絡事項
 深堀委員より、2001年核データ国際会議(10/7-12, 2001)の準備状況に
ついて簡単な報告があった。

4.炭素、シリコン、マグネシウムの評価進捗状況(渡辺委員)
 渡辺委員により進捗状況の説明(HE-F-99-13)があった。炭素については、
150 MeVまでの中性子および陽子入射における全断面積、全反応断面積、弾性散乱・
非弾性散乱断面積に対して、 Soft-rotator模型を使った結合チャンネル法による
計算結果と実験値との比較が示された。また、核子放出連続スペクトル計算では、
SCDWモデルによる多段階直接過程成分を従来のSCINFUL/DDX計算に加える補正を
行う旨報告があった。シリコン、マグネシウムについては、現在、実験データの収集
やLA150ファイルのチェック作業を行っている旨報告された。さらに、九大総理工
グループによりTIARA施設で測定された最新の陽子入射水素・ヘリウム同位体生成
断面積の測定結果が示され、LA150に格納されていないHe-3生成も無視できないこと
が指摘された。

5.高エネルギー核データファイルの評価状況(義澤委員)
 義澤委員より、評価の進捗状況について資料HE-F-99-14を使った説明があった。
評価対象核(Na-23, Ta-181, Mo同位体, V-51, Fe同位体、Ni同位体)に対する
光学ポテンシャルの検討経過が報告された。LA150で使われているパラメータを
参考にした調査結果が示され、今後の作業方針の説明があった。

6.クロム同位体の評価作業について(小迫委員)
 小迫委員より、資料HE-F-99-15を使って、クロム同位体(Cr-50, 52, 53, 54)
評価の進捗状況が報告された。GNASH-ECN, QMD, TOTELAの計算結果を統合して、
ファイル化する流れが示された。現時点では、同位体生成断面積をGNASHの計算結果
から求める方法がはっきりしておらず、最終ファイルは完成していない。次回までに、
深掘委員が、GNASH計算結果に基づく同位体生成断面積のファイル化方法について
調査することになった。クロム同位体終了後は、Ti, Mn, Ca, Kの順で評価を進める
予定である旨説明があった。

7.高エネルギーファイル作成のためのツールに関する進捗状況(深堀委員)
 深堀委員より、資料HE-F-99-16を使って、高エネルギーファイル作成のための
ツール開発の現状報告があった。TOTELAの改良(仁井田氏によるPearlstein's
systematicsの改良版の組み込み)およびADDQ(同位体生成断面積のQ値を自動
生成するツール)の改良について説明があった。

8.EXFOR未格納実験データの収集状況リスト(深堀委員)
 深堀委員より、原研核データセンターが収集した文献リスト(資料HE-F-99-17)が
示された。また、荷電粒子データリクエストに関するNEAからのメール(資料HE-F
-99-18)が紹介された。議論した結果、各評価者からの要求を深堀委員が2/4までに
集約して、資料HE-F-99-17および資料HE-F-99-19に関連した核データと併せて、
NEAへリクエストすることになった。

9.加速器施設設計に必要な空気の放射化に関する核データの現状(中島委員)
 中島委員より、資料HE-F-99-19を使って、高エネルギー加速器施設設計において
重要となってくる空気の誘導放射能について説明があった。現状では、実験データは
乏しく、安全側の値(例えば、30mb)を採用した設計がなされている。こうした
安全性評価に関わる断面積を過小評価した場合には問題となるので、炭素、酸素、
窒素などの核データ評価/レヴューの際には、注意すべきであることを確認した。

10.レヴュー方法検討グループの立ち上げについて
 前回、山野委員より提案のあったJENDL-HE積分テストグループについて継続審議を
行った。その結果、本SWGのレヴュー担当者を中心に、微分データのレヴュー方法の
ガイドライン(案)を作成するグループを早急に立ち上げ、次回の会合までに原案を
提出することになった。

11.その他
次回予定:来年度4月ないしは5月の早い時期

次回までの検討課題
(1)陽子弾性散乱における核・クーロン相互作用干渉項に関する検討(渡辺)
(2)GNASH出力から同位体生成断面積を求める方法の確立(深掘)
(3)微分データレヴュー方法のガイドライン(案)の作成