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河野@九大です.
今月19日に開かれました重核WGの議事録をお送りします.
F00FC7C8
####- KAWANO Toshihiko://Advanced Energy Eng. Sci., KYUSHU -##
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重核評価 WG 平成 12 年度第 1 回会合議事録 (案)
日時 : 平成 12 年 5 月 19 日 (金) 13:30 - 17:30
場所 : 武蔵工大 124 教室
出席者 : 瑞慶覧 篤 (日立), 中川 庸雄, 柴田 恵一, 岩本 修, 桜井 健 (原研),
石川 眞 (サイクル機構), 松延 廣幸 (データ工学), 村田 徹 (アイテル),
吉田 正 (武蔵工大), 大澤 孝明 (近畿大), 河野 俊彦 (九大)
1. 配布資料
HN00-21 評価作業チ ェッ クリスト 河野
HN00-22 236U 捕獲断面積, 核分裂断面積 吉田
HN00-23 240Pu,242Pu 改定値の共分散評価方針 村田
HN00-24 Multimodal Madland-Nix Model による Pu-239 の即発中性子
スペクトルの計算 大澤
HN00-25 U-235 積分テストの結果 (preliminary) 中川
HN00-26 U-235, U-238, Pu-239 遅発中性子収率 吉田, 桜井
HN00-27 Review on Calculational Model for Effective Unresolved
Resonance Cross Section 瑞慶覧
2. 議事
(1) 前回議事録確認
前回 (平成 12 年 1 月 28 日) の議事録を確認し,語句の修正を行っ た.
p.1 配布資料の HN00-19a 290Pu => 240Pu
p.2 上 2 行 いないためる => いないためである
(2) 提出資料より
o 評価作業チェックリスト (資料 HN00-21) を用いて, JENDL-3.3 用重核評
価作業の確認を行なっ た.再評価の終っていないデータは,238Uの(n,4n)
反応断面積,235U,238U,239Pu の高エネルギー領域での核分裂スペクトルで
ある.
o 吉田委員より,236Uの再評価作業の報告がなされた(資料 HN00-22).高エネ
ルギー領域の捕獲断面積をDSDコードでの計算値で置き換える以外は, 捕獲
断面積・核分裂断面積ともJENDL-3.2からの変更は無い.
o 村田委員より,240,242Pu の共分散評価の方針が示された(資料 HN00-23).
240Pu の共鳴パラメータはSAMMYの出力結果があるので,これを利用する.
非分離共鳴領域では,ENDF のフォーマット上の制限がありファイル化が難
しい.非分離領域での共分散評価の問題は全核種に対して存在するので,さ
らなる検討を要する.(n,2n),(n,3n)反応断面積は重核近傍である程度系統
性が期待され,そのようなシステマティックスも存在する. この絶対値を
確認するために,他の核種の断面積およびシステマティッ クスとの相互比
較を行なう.
242Pu の共分散データについては,現状では利用者からの要求が少ないと
考えられるので,共分散評価作業のプライオリティを下げておく.
o 大澤委員より,239Puの核分裂即発中性子スペクトルの再計算の結果が示さ
れた(資料HN00-24).マルチモード解析を用いて核分裂中性子スペクトルの
計算を行なった.結果はJENDL-3.2 のものと比較して,約 800 keV 以下と
約4MeV以上では増加し,その間は減少した.核分裂スペクトルの共分散評価
は,JENDL-3.2で用いた方法を採用し,河野委員と大澤委員で進めることと
した.なお,238Uに対するスペクトルの再評価は,現在検討中である.
o 吉田委員より,遅発中性子WGにおけるJENDL-3.3用νd再評価の現状が報告さ
れた(資料 HN00-26).また,遅発中性子 WG の桜井委員より,主に3MeV以下
の領域における,積分データへの 235U, 238U, 239Pu のνd のアジ ャ ス
トメントの結果が報告された. 熱領域での 235U の νd は, JENDL-3.2
の値から殆んど変化しなかった.また,238Uはやや減少する方向,239Pu は
やや増加する方向に修正された.このアジャストメントでは,νdの共分散
は独自に評価されたものを用いているが,235UについてはJENDL-3.2の共分
散データがある.また,238Uと239Puについても評価が可能であるため,こ
れらの共分散を用いたアジャストメントを行ない,その結果を重核WGで再度
検討し,JENDL-3.3の評価値へ反映する.
o 瑞慶覧委員より,非分離共鳴領域でのファイル化における問題点について解
説が行なわれた(資料 HN00-27).非分離共鳴領域での断面積をB-Format で
表現する方法について,重核WGおよび他の幾つかのWGで問題になっているた
め,NJOYがライブラリをどのように処理するかを調査した.非分離共鳴パラ
メータの共分散は,Format上1エネルギー領域しか許されていない.従って,
非分離共鳴パラメータにエネルギー依存性を与える際は,平滑な断面積を
File 3にも用意しておき,self-sheilding factor 等の計算にはFile 3だけ
を使用するように指示してファイル化する方法がある.しかし,この方法は
利用者が混乱するすることが予想され,また,全ての処理コードがそれに対
応するように作られているかどうか不明であるので注意を要する.
o 中川委員より,235U の予備的な積分テストの結果が報告された(資料
HN00-25).新しい評価値では,軽水炉の臨界性予測精度が向上するが, 小
型の高速炉心体系では過大評価となっている.中性子スペクトルの低エネル
ギー側の問題である可能性があり,今後調査を行なう.
(3) その他の議論
o ND2001への重核WGとしての対応が議論され,WGとしてJENDL-3.3重核
データ評価の発表を行なうこととした.
o 最終報告書をJAERI-Researchから出版することとした.
3. 次回会合
平成 12 年 8 月 25 日 (金) 13:30 - 17:30 原研本部