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原田康雄@昭和大です。
医学用原子分子・原子核データWG会合議事録(2000.6.1)をお送りします。

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シグマ研究委員会・核データ専門部会・医学用原子分子・原子核データWG
        平成12年度 第1回会合議事録

1.開催日時:平成12年6月1日 13:30〜17:00
2.開催場所:原研本部・第3会議室
3.出席委員:伊藤彬(癌研究会)、上原周三(九大)、岡本浩一(日大)、
       古林徹(京大炉)、中井洋太(鈴鹿医療科学大)、原田康雄(昭和大)、
       松藤成弘(放医研)、山口恭弘(原研)
  欠席委員:岩波茂(北里大)、尾川浩一(法政大)、高田信久(電総研)

4.配布資料:
 MED-2000-1-1:医学用原子分子原子核データWGの経緯について
 MED-2000-1-2:医学用原子分子原子核データWGの今後の方針等について
 MED-2000-1-3:INDC(NDS)−295. pp. 12-13.
 MED-2000-1-4:本WGに関係する解説記事など

5.報告事項
5.1  経緯と今後の方針(グループリーダ古林)
 グループリーダより、前グループリーダ平岡委員からの引き継ぎの経緯について報
告された。今年から、新委員として加わって戴いた松藤氏(放医研)と岡本氏(日大
)を迎えて、各自の自己紹介を行った。

5.2  医学用原子分子原子核データの検討について(伊藤)
 本WGのこれまで活動を総括し、今後の活動方針を検討するため、標題の資料(ME
D-2000-1-1)について説明した。資料はもとになる文献のリストとそれに対するコメ
ントを原田委員の協力を得て作成された。20年近くに及ぶ本WGの活動期間を大き
く3期に分けて、各グループリーダ下で行われた活動について概括した。1994年
に出版された医学物理データブックの意義が強調された。

5.3  医学用原子分子原子核データWGの今後の方針等について(古林)
 本年1月21日の運営委員会で、本WGの今後の方針について報告をしたときに配
布した資料(MED-2000-1-2)について、本日このWGで承認を受ければ、『核データ
ニュース』に投稿したい旨の提案がなされた。

5.4  INDC(NDS)-295について(上原)
 データ評価をまとめる手法の見本として、INDC(NDS)-295, "Atomic and Molecular
Data Needs for Monte Carlo Track Structure Calculations of Radiation
Induced Damage in Biological Substances - summary Report of an IAEA
consultants' Meeting" Vienna, Austria, November 11-12, 1993, Issued January
1994、配付資料(MED-2000-1-3)について紹介した。今後このような手法で本WGが
評価できる対象(放射線と標的物質)について検討していきたい。

5.5  放射線防護関連法令の改正(山口)
 来年4月に予定されているICRP 90年勧告に合わせた放射線関連法案の改訂につい
てその見通しとそれにともなう問題について話題を提供した。現行の1センチメート
ル線量当量による規制は実効線量に変更するよう、放射線審議会が答申している。こ
れにともなって遮蔽設計マニュアルを含む広範囲な放射線防護に関係するデータの見
直しが必要となっている。これを行うためには、その防護データ算定の基礎となる核
データ(崩壊データ)や計算方法(プログラム)に対する評価が求めれれる。本WG
でもこのテーマについて検討しては如何かという提案。

5.6  本WGの活動経過に関する資料(原田)
 本WGの活動を理解する上で重要と思われる文献から、主として当時の活動計画や
その時期の目標や到達点とその後の方針について述べられた部分を抜粋して資料(ME
D-2000-1-4)とした。これは伊藤委員の概括を補完する資料として、本WGの従来ま
での活動をかなりの程度理解することができ、また成果を内外に向けて広報する資料
として利用できる。

6. 討議事項
6.1 本WGの議事録を原田が作成することで委員の承認を受けた。また、配布資料の
表記は、WG記号[MED]-年度[yyyy]-会合次数[i]-通番[n]とすることにした。

6.2 資料MED-2000-1-2『医学用原子分子データ・核データWGの今後の方針等につい
て』は「3.3 その他」を除いて、『核データニュース』に投稿することとした。

6.3 これまでのWGのまとめ(レヴュー)として、伊藤委員の配布資料MED-2000-1-1
を発展させて、このWGとこれまでのグループリーダに案として提示できるよう古林
、原田両委員で準備することとした。また今後定期的に活動報告を目に見える形で出
していきたいという古林グループリーダの意向に沿って『シグマ核データ研究会』や
『核データニュース』に発表する原稿を順次各委員にグループリーダからお願いする
旨、協力を要請し、了承を得た。

6.4 上原委員の紹介した資料MED-2000-1-3では、生体に放射線障害を引き起こすトラ
ック構造の解析をモンテカルロ法で行う上で必要となる原子分子データとして、電子
、陽子、重荷電粒子について、それぞれ11-13種類の相互作用に関して5種の物質を
評価している。この手法を参考にして、本WGで評価の対象となり得る放射線とその
相互作用の種類、医学用原子分子・核データとしての関心物質について引き続き検討
する。

6.5 山口委員の話題提供について、前回の本WGで「内部被ばく線量評価に用いる放
射線データの現状」(遠藤氏)の発表内容も含めて核データと防護に必要なデータの
接点について山口氏の見解を取りまとめる方向でお願いしたい。この点について会合
予定時間が尽きてしまったので、次回に議事を継続する。

6.6 その他
 1)必要な連絡はメールを活用する。
  2)委員の活動は個人的な参加の形態であることから、委員の自主性を尊重しつつ
、他の活動との連帯を深めていくことを模索することとする。
  3)次回の第2回会合は12月初旬に予定。

[以上]