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9月1日開催のShielding積分テストWG会合議事録(案)
お送りします。
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Shielding積分テストWG
2000年度 第2回会合 議事録(案)

日 時 :2000年9月1日(金) 13:30〜17:30
場 所 :原研本部 第6会議室
出席者 :前川、今野(原研)、植木(船研)、鈴木、松本(サイクル機構)、
     佐々木(ARTEC)、市原(京大炉)、竹村(川重)、星合(CRC)、
     山野(住友原子力)、オブザーバー:柴田(原研)以上11名〈敬称略・順不同〉

配布資料:
 SB-00- 6: JENDL-3.3 Shielding Benchmark Test分担・進捗状況一覧[山野委員]
 SB-00- 7: FNS V積分テスト結果[松本委員]
 SB-00- 8: OKTAVIAN Ti, Cr, Co, Nb, W積分テスト結果[市原委員]
 SB-00- 9: FNS W, OKTAVIAN W(n,γ), FNS Fe積分テスト結果[前川委員]
 SB-00-10: OKTAVIAN Ti, Cr, Co, Nb積分テスト結果[星合委員]
 SB-00-11: KfK Fe積分テスト結果[星合委員]
 SB-00-12: ORNL-TSF Fe, Winfrith-ASPIS Fe, IPPE Fe, Ni積分テスト結果[植木委員]
 SB-00-13: FNS Fe, Winfrith-ASPIS Fe, IPPE Ni積分テスト結果[今野委員]
 SB-00-14: FNS Fe, KfK Fe, KfK Fe(n,γ), NIST-ROSPEC Fe積分テスト結果[山野委員]

議 事 :
1.前回会合議事録(案)の確認がなされた。
2.中重核データ評価の進捗状況に関する報告及び積分テスト分担・進捗状況の確認
 柴田講師より中重核評価WGの進捗状況説明があり、Al, Si, Cuを除きファイル化を
行ったとの説明があり、資料SB-00-6に従って各委員の作業分担及び進捗状況が確認された。
3.松本委員より資料SB-00-7に基づきFNS Vの積分テスト結果が報告された。
 MCNPで計算。keV以下の領域でJENDL-3.2より改善されたが、ENDF/B-VIの方が良好。
100keV近傍の共鳴構造はJENDL-3.2より改善された。(n,γ)は4MeV以上でJENDL-3.2より改善
された。
4.市原委員より資料SB-00-8に基づきOKTAVIAN Ti, Cr, Co, Nb, Wの積分テスト結果が
報告された。
 MCNPで計算。Tiは全体として実験値より大きい。JENDL-3.2とあまり変わらない。Crは
ほとんど問題なく実験値を再現する。1MeV以下でJENDL-3.2より改善された。CoはJENDL-3.2
とほとんど変わらない。5〜10MeVではEFF-2, FENDL-1より若干良い。NbはJENDL-FF以降ほと
んど変わらず、積分値でほぼ10%以内の再現性。1MeV以下でスペクトルの形が若干異なる。
WはJENDL-3.2と変わらず、1〜10MeVで30%程度の過小評価か?
5.前川委員より資料SB-00-9に基づきFNS W, OKTAVIAN W(n,γ), FNS Feの積分テスト結果
が報告された。
 MCNPで計算。FNS Wは0.1〜5MeVの中性子束を過小評価する。反応率分布は特に問題なし。
FNS W(n,γ)については(n,n'γ)反応では実験値を良く再現。(n,γ)反応が寄与する深い位置
ではJENDL-3.2, JENDL-FFより高エネルギー側にシフトしたスペクトルとなる。γ線発熱は
実験値と誤差内で一致しており、エネルギーバランスに問題なし。OKTAVIAN W(n,γ)は一致
は概ね良好。FNS W(n,γ)と同傾向。FNS FeはAl, In反応率はJENDL-3.2より改善された。
1keV〜1MeVはJENDL-3.2より改善。eV領域ではJENDL-3.2, JENDL-FF,実験値よりわずかに大
きい。JENDL-3.2では(n,n'γ)反応によるγ線生成が過大であったがJENDL-3.3では修正され
実験値と良く一致。深い位置での再現性も良好な一致が得られている。
6.星合委員より資料SB-00-10に基づきOKTAVIAN Ti, Cr, Co, Nbの積分テスト結果が報告
された。
 ANISNで計算。Tiは市原委員のMCNP結果とほぼ同様。JENDL-3.2とあまり変わらない。
Crはほとんど問題なく実験値を再現するが0.2〜0.5MeVでJENDL-3.2より実験値をやや過大
評価する。MCNPの結果と合わせて検討する必要あり。CoはJENDL-3.2とほとんど変わらない。
Nbは2MeV以下で過大評価。
7.星合委員より資料SB-00-11に基づきKfK Feの積分テスト結果が報告された。
 ANISNで計算。結果はほぼ実験値を再現している。Cf自発核分裂スペクトルを山野委員と
合わせた再計算を実施することとした。
8.植木委員より資料SB-00-12に基づきORNL-TSF Fe, Winfrith-ASPIS Fe, IPPE Fe, Ni
の積分テスト結果が報告された。MCNPで計算。鉄の厚い体系であるORNLの結果は〜10MeV
まで良好な一致。ASPISは良好な一致であるが、JENDL-3.2と同様0.8〜1MeVが過小評価する。
ENDF/B-VIはこの部分は良好。IPPE FeはJENDL-FFと同様な結果であり、JENDL-3.2より良好。
IPPE Niは全体的に過小評価するが、JENDL-FF, JENDL-3.2より良好。
9.今野委員より資料SB-00-13に基づきFNS Fe, Winfrith-ASPIS Fe, IPPE Ni積分テスト
結果が報告された。
 DORTで計算。FNS Feの結果は前川委員のMCNPの結果と若干異なる部分もあるが、JENDL-3.2
より良好な一致を与える。ASPISは良好な一致であるが、植木委員のMCNPによるJENDL-3.2と
同様0.8〜1MeVが過小評価する。ENDF/B-VIはこの部分は良好。反応率分布はJENDL-3.2より
改善されている。IPPE Niは植木委員と同様MCNPで計算。0.5MeV以下の積分中性子束がJENDL-
3.3はJENDL-3.2, ENDF/B-VIに比べ過大評価するが、0.5MeV以上の領域では5MeVの領域を除き
JENDL-3.2より良好。植木委員の結果と異なる。植木委員はNi球表面の漏洩カレントを計算
したのに対し、今野委員は検出器位置での点検出器で中性子束を評価している。両者の結果
の差異を早急に検討することとした。
10.山野委員より資料SB-00-14に基づきFNS Fe, KfK Fe, KfK Fe(n,γ), NIST-ROSPEC Fe
積分テスト結果が報告された。
 MCNPで計算。FNS Feの結果は前川委員、今野委員と同様な結果である。全体的にJENDL-3.2
より改善されているが、0.8〜1MeVはENDF/B-VIの再現性がJENDL-3.3より良い。ASPISの結果
も同様であり、計算方法として、MCNPとDORTでも同じ結果である。今後この領域の捕獲・非
弾性散乱・弾性散乱の競合過程を見直すことが必要である。KfK Fe及びKfK Fe(n,n'γ)は
JENDL-3.3はJENDL-3.2より良好。NIST Feは2MeV以上でENDF/B-VIの方が再現性が良いが、
KfKの結果はJENDL-3.3の方が良く、実験誤差の範囲内で良好な一致であり、どちらが良いと
は判断できない。
11.以上の報告の後、原因不明であるCuについては今野委員が感度解析コードSUSD/FNSで
1keV以下の中性子スペクトルに寄与する反応断面積の感度を検討したが確実な情報は得られ
ていない。また、Naはできるだけ早くベンチマーク解析を行うことを確認した。なお、
JSSTDLについては処理コード変更が整った時点で行うとし、当面はNJOYによるVITAMIN-J構造
及び100群定数のP5群定数を今野委員が作成することとした。
12.今回の結果を11月開催の核データ研究会で山野委員がまとめて報告することとした。

次回会合で残りの積分テスト結果を担当委員より報告することとした。

次回会合予定: 2000年12月22日(金)13:30〜17:30
        住友原子力工業(株)会議室

次回予定議題: 積分テスト結果の検討(各担当委員)
        その他
                                                                         以上
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