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河野@九大です.

今月1日に開かれました重核WGの議事録をお送りします.


F00FC7C8
####- KAWANO Toshihiko://Advanced Energy Eng. Sci., KYUSHU -##
###--  http://art.aees.kyushu-u.ac.jp/members/kawano/  ----###
##---  TEL: +81-92-583-7587  FAX: +81-92-583-7586 --------####

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           重核評価WG平成12年度第3回会合議事録(案)

  日時   : 平成12年12月1日(金)  13:30 -- 17:30
  場所   : 原研東海研究所, 221号室 
  出席者 : 瑞慶覧 篤(日立), 中川 庸雄, 柴田 恵一, 岩本修(原研), 
           岡島 成晃, 桜井 健(原研), 川合 将義(KEK), 石川~眞(サイクル機構),
           松延 廣幸(データ工学), 村田 徹(アイテル), 河野 俊彦(九大)

1.配布資料
  HN00-35a 遅発中性子データの評価について                      岡嶋・桜井
  HN00-35b FCA, MASURCA, TCAのβeff実験解析に基づく
           JENDL-3.2の遅発中性子収率の修正                           桜井
  HN00-36  U235, Pu239核分裂スペクトル                               河野
  HN00-37  239Pu νdの共分散                                         柴田
  HN00-38  240Pu改訂値の共分散の検討                                 村田
  HN00-39  Validation of JENDL-3.3 by Criticality Benchmark Testing  中川
  HN00-40  Criticality Uncertainty due to Errors of Resolved
           Resonance Parameters                                    瑞慶覧
  HN00-41  JENDL-3.2に基づく共分散データの群定数化処理結果
           について (II)                                             石川
  HN00-42  New Evaluations of Heavy Nuclide Data for JENDL-3.3       河野

2. 議事

1) 前回議事録確認
   前回(平成12年8月25日)の議事録を確認した.

2) 提出資料より

○ 遅発中性子WGの岡嶋・桜井委員より,FCA, MASURCA, TCAのβeff実験解析
   に基づいた,235U, 238U, 239Puのνdの評価結果が報告された(資料
   HN00-35a,b).JENDL-3.3 用に評価された6群定数と,Brady-Englandの遅発
   中性子スペクトルを用いて,JENDL-3.2のνdのアジャストメントを行った.
   その結果235Uの熱領域でのνdは1.1%減少し,239Puは1.7%増加した.238U
   では,3.3%の減少が見られた.このアジャストメントで用いた238U, 239Pu
   のνdの共分散は一時的に評価したものであるので,これらのデータを早急
   に準備することとした.なお,239Puのνdの共分散については,Tuttleが
   評価に用いたデータに基づきGMAコードを用いて評価した結果が,今回のWG 
   の資料として,柴田委員より提出された(資料HN00-37).

○ 河野委員より,238Uの核分裂スペクトルの評価方法を用いて,239Puと235U 
   のスペクトル計算を行った結果が報告された(資料HN00-36).核分裂スペク
   トルは10, 14, 20MeVで計算されているが,補間を行う上でもう少しエネル
   ギー点を増やした方が良いというコメントがなされた.

○ 村田委員より,240Puのデータの改訂値の共分散の検討結果が示された(資
   料HN00-38).非分離共鳴領域では,共分散を与えることができるパラメー
   タは全領域で1セットに限られており,実験値もJENDL-3.2のものと変りが
   ないので,JENDL-3.2の共分散を採用したい.非弾性散乱断面積についても
   実検値はJENDL-3.2のものと変りがないので共分散はJENDL-3.2のものを採
   用したい.(n,2n), (n,3n)反応断面積の共分散は,Konshinの行った理論計
   算の誤差を推定することで評価した.以上の方針について,特に異論なく
   了承された.

○ 今年の核データ研究会で高野氏(原研)から報告があった,JENDL-3.3のベン
   チマークテストの結果を,中川委員が報告した(資料HN00-39).ベンチマー
   ク計算は連続エネルギーモンテカルロコードMVPを用いており,臨界性予測
   を見る限りは,多くのthermal core, fast neutron coreに対し,
   JENDL-3.3を用いた計算は良い結果を示すことが報告された.

○ 瑞慶覧委員より,分離共鳴パラメータの誤差のkeffへの影響を調べた結果
   が報告された(資料HN00-40).keffに対する分離共鳴パラメータの感度の解
   析的な式を求め,全てのパラメータの誤差がkeffの誤差にどのように影響
   するかを,大型高速炉に対して計算した.

○ 石川委員より,JENDL-3.2共分散ファイルの処理の現状についての報告があっ
   た(資料HN00-41).前回(8/25)の時点から,共分散データが修正されたため,
   新しい共分散データに基づいて群定数化処理を行った.μの閾エネルギー
   に対する処理方法を変更したこと,今まで入っていなかったMeV領域での捕
   獲断面積の誤差を入れたこと等が報告された.10Bの誤差と分離
   共鳴パラメータからの誤差の寄与に関する問題については,現在確認中で
   ある.


3) その他の議論

○ 来年開催されるND2001に,JENDL-3.3重核データ評価の内容を発表する.そ
   の要旨の原稿が河野委員より提出された(資料HN00-42).内容へのコメント
   は,原稿〆切までに河野委員へ連絡することとした.


3. 次回会合
  平成13年3月16日(金) 13:30 -- 17:30  原研東海研究所
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