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各位

遅くなりましたが、
先月12月14日に開催された平成12年度第2回運営委員会で
確認されました平成12年度本委員会の議事録をお送りします。

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平成 12 年度シグマ特別専門委員会・シグマ研究委員会本委員会議事録

日時:2000 年 7 月 13 日(木)13:30 〜 17:30
場所:日本原子力研究所 本部 第 1 会議室

出席者:吉田 正(武蔵工大、主査)、中川 正幸(原研、委員長)、加藤 幾芳(北大)、
    馬場 護(東北大)、中沢 正治(東大)、井頭 政之(東工大)、
    北沢 日出男(防衛大学校)、河出 清(名大)、小林 捷平(京大)、
    高橋 亮人(阪大)、山本 敏久(阪大、竹田委員代理)、石橋 健二(九大)、
    難波 忠清(核融合研)、金井 達明(放医研)、石川 眞(サイクル機構)、
    佐々木 誠(サイクル機構)、大竹 巌(データ工学)、喜多尾 憲助(データ工学)、
    瑞慶覧 篤(日立)、更田 豊治郎(海洋財団)、山野 直樹(住原工)、
    池田 裕二郎(原研)、長谷川 明(原研)、片倉 純一(原研)
幹事:中川 庸雄(原研)
発表者:大澤 孝明(近大)
オブザーバー:李 大遠(韓国 釜山大学)、金 貴年(韓国 POSTEC)

配付資料
 1.平成 11 年度シグマ特別専門委員会・シグマ研究委員会本委員会議事録
 2.シグマ委員会 運営委員会議事概要
 3.日本原子力学会「核データ・炉物理特別会合」テーマ
 4.日本原子力学会核データ部会の発足
 5.委員の交代
 6.大学における核データ活動
 7.JCPRG 1999 年活動報告
 8.平成 11 年度における原研の核データ測定実験
 9.サイクル機構における核データ研究活動
10.短寿命核生成放射化断面積の系統的測定
11.核分裂中性子スペクトルの評価
12.核データ専門部会の平成 11 年度活動報告と 12 年度の予定
13.炉定数専門部会の平成 11 年度活動報告と 12 年度計画
14.核燃料サイクル専門部会平成 11 年度活動報告及び平成 12 年度計画
15.常置グループ活動報告
16.1999 年核データ研究会
17.2000 年核データ研究会の開催について
18.核データ関連国際情勢
19.科学と技術のための核データ国際会議 ND2001 準備状況

主査及び委員長挨拶
 議事の前に、シグマ特別専門委員会の吉田主査とシグマ研究委員会の中川委員長より挨拶があった。

議事
1. 報告事項
1.1 運営委員会報告
配付資料2に基づき、昨年の本委員会後に開催された4回の運営委員会の議事概要を報告した。

1.2 原子力学会関係
・配付資料3に基づき、日本原子力学会 1999 年秋の大会、2000 年春の年会、2000 年秋の大会の「核データ・炉物理特別会合」のテーマについて報告した。
・配付資料4に基づき、原子力学会「核データ部会」が発足したことについて報告した。
 「部会設立は、セクショナリズムの恐れがある」との意見が出て、学会の動きについて意見交換がなされた。

2. シグマ委員会人事
2.1 委員の交代
本委員の交代について、報告があった。
退任
  中嶋 龍三  法政大学
  川村 孝弌  核融合科学研究所
  神田 幸則  大分高等専門学校
  天道 芳彦  理化学研究所
新任
  金井 達朗  放射線医学総合研究所
  久保野 茂  東京大学
  谷畑 勇夫  理化学研究所
  難波 忠清  核融合科学研究所
  片倉 純一  日本原子力研究所

2.2 主査改選
主査の改選が行われ、委員の互選の結果、吉田 正氏(武蔵工大)が再任された。

3. 国内研究機関の核データ活動
3.1 大学関係
配付資料6に基づき、馬場氏が大学における核データ活動について、2000 年の Progress Report、1999 年核データ研究会報文集、原子力学会予稿集を参考に報告した。東北大、東工大、都立大、名大、阪大、京大、九大において実験・測定が行われている。北大、東北大、早大、武蔵工大、名大、愛知淑徳大、阪大、近大、京大、九大において計算や評価が行われている。

3.2 日本荷電粒子核反応データグループ
配付資料7に基づき、加藤氏が JCPRG(日本荷電粒子核反応データグループ)の 1999 年度の活動を報告した。NRDF に 14 編の論文から 1.20 メガバイト(457 データテーブル)のデータを入力した。この結果、検索対象データの文献数は 1,147 論文となった。NRDF から EXFOR へ変換し、IAEA に送付した。8件については問題があったため再変換して送付した。NRDF の利用について Inteligent Pad システムを用いた利用システム(CONTIP)に関し論文を発表した。2000 年度には、新規データの入力、NRDF データのワークステーションへの移行、CONTIP の改良、新 EXFOR 変換システムの作成を行う予定である。

3.3 原研
配付資料8に基づき、池田氏が原研で実施している核データ測定実験について報告した。FNS での水銀の各種断面積の測定や積分実験、AGS での水銀ターゲットの中性子工学実験、核融合炉材料積分実験、誘導放射能実験、14 Mev 中性子による 18O(n,p)18N、18O(n,a)15C 反応断面積測定、1.5 GeV 陽子入射に伴う厚いタングステンおよび鉄ターゲットから生成する中性子スペクトルの測定、核破砕中性子源の中性子ビームライン孔での遮蔽実験、237Np、241Am、243Am および 248Cm の 30 MeV 陽子励起核分裂収率の測定が行われていると報告した。

3.4 サイクル機構における核データ研究活動
配付資料9に基づき、石川氏がサイクル機構における核データ研究活動について報告した。東海ではFP 核種の中性子断面積の測定を実施している。また、光核反応全断面積の超高分解能測定技術の開発も行っている。大洗では大学に委託して MA・FP 断面積の測定を行っているほか、弥生炉を用いた MA 崩壊熱の測定、常陽の反応率測定結果を用いた積分テスト、高速炉炉心の遮蔽解析のための定数作成、高速炉用の統合炉定数の作成を行っている。

3.5 その他
韓国釜山大学の李氏より韓国における核データ活動について紹介された。

4. 特別講演
4.1 短寿命核種生成放射化断面積の系統的測定
名大河出氏が短寿命核種生成放射化断面積の系統的測定について講演した(配付資料10)。中性子エネルギー 13.4 〜 14.9 MeV および 3 〜 7 MeV の短寿命核生成断面積データについて 110 反応以上のデータが取得され、これらのデータを基に 14 MeV 附近の (n,p) および (n,a) 反応の系統式の検討を行っている。予測精度 20 〜 30 % の系統式の提案を目指している。

4.2 核分裂中性子スペクトルの評価
近大大澤氏が核分裂中性子スペクトルの評価について講演した(配付資料11)。核分裂中性子の Multimodal analysis を試みている。Brosa 等の Multimode Fission Model と Madland-Nix の中性子スペクトルに関する Model の改良版を結合し、解析を行った。実験との一致は改善されている。ただ、Multimodal Analysis がなされている核種にしか適用できない。今後、Multimodal model の Systematics の研究が進めば、他の核種への適用も可能となる。

5. シグマ委員会平成 11 年度活動報告と12 年度計画
5.1 核データ専門部会
配付資料12に基づき、井頭氏が以下の7つの WG について報告した。
(1)高エネルギー核データ評価 WG
(2)共分散評価 WG
(3)評価計算支援システム WG
(4)荷電粒子核データ WG
(5)遅発中性子評価 WG
(6)中重核評価 WG
(7)重核評価 WG
なお、共分散評価 WG はミッションが終了した。また、荷電粒子核データ WG 及び遅発中性子評価 WG も 12 年度をもって活動を終了する予定である。

5.2 炉定数専門部会
配付資料13に基づき、山野氏が以下の5つの WG について報告した。
(1)リアクター積分テスト WG
(2)Shielding 積分テスト WG
(3)Dosimetry 積分テスト WG
(4)標準炉定数検討 WG
(5)中高エネルギー核データ積分テスト WG
なお、Dosimetry 積分テスト WG は、JENDL Dosimetry File 99 (JENDL/D-99) が完成したので、JENDL/D-99 のレポート刊行をもって一つの区切りとし、WG 活動の見直しを行う。また、中高エネルギー核データ積分テスト WG は 12 年度に編成され、現在評価作業中の JENDL High Energy File (JENDL-HE) に関して定数処理法及び積分テスト手法の確立を目指している。

5.3 核燃料サイクル専門部会
配付資料14に基づき、片倉氏が以下の3つの WG について報告した。
(1)崩壊熱評価 WG
(2)核種生成量評価 WG
(3)核分裂生成物収率評価 WG

5.4 常置グループ
配付資料15に基づき、中川氏が以下の6つのグループについて報告した。
(1)ENSDF グループ
(2)JENDL 編集グループ
(3)CINDA グループ
(4)医学用原子分子・原子核データグループ
(5)核データニュース編集委員会
(6)HPRL グループ

6. 1999 年核データ研究会報告と 2000 年核データ研究会計画
配付資料16及び17に基づき、山野氏が報告した。1999 年には 11 月 18、19 日に参加者 157 名で開催された。外国からの参加は 10 名で国内滞在の外国人 7 名を加えると参加者の 1 割強が外国人となり国際色豊かになった。また、ポスター発表賞を設け好評であった。2000 年には 11 月 16、17 日を予定している。口頭発表のプログラムとして JENDL-3.3 及び JENDL-HE の評価と積分テストを主眼とした構成を予定している。また、今年度もポスター発表賞を設ける予定である。

7. その他
7.1 核データ関連国際情勢
配付資料18に基づき、長谷川氏が IAEA- 核反応データセンター協力諮問家会合、第23 回 IAEA-INDC 会合、NEA WPEC 核データ評価国際協力会合を基に核データを取り巻く国際情勢について報告した。データセンター活動では、日本の理研がデータセンターから撤退するという動きがあり、今後の活動に警鐘が鳴らされている。

7.2 科学と技術のための核データ国際会議 ND2001 準備状況
配付資料19に基づき、長谷川氏が報告した。会議の大枠が決定され、第1次案内は既に出してある。国内からの登録者はまだ少ないが、海外からの参加登録者は 100 名を超えている。今後、第 2 次案内の発送等を行ってゆく。