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河野@九大です.

8月24日に東海研で開かれました重核WGの議事録をお送りします.


F00FC7C8
####- KAWANO Toshihiko://Advanced Energy Eng. Sci., KYUSHU -##
###--  http://art.aees.kyushu-u.ac.jp/members/kawano/  ----###
##---  TEL: +81-92-583-7587  FAX: +81-92-583-7586 --------####


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            重核評価WG平成13年度第2回会合議事録

  日時   : 平成13年8月24日(金)  13:30 -- 17:30 
  場所   : 原研東海研究所, 221号室 
  出席者 : 瑞慶覧 篤(日立), 中川 庸雄, 柴田 恵一, 岩本 修, 高野 秀機(原研)
           川合 将義(KEK), 石川 眞(サイクル機構), 村田 徹(アイテル),
           松延 廣幸(データ工学), 河野 俊彦(九大) 

配布資料
  HN01-56 \atom{233,235}{U} $\nu_p$, $\nu_d$と\atom{233}{U}の
          非分離領域共分散評価                                    松延   
  HN01-57 \atom{240}{Pu}の共鳴領域捕獲断面積                      中川   
  HN01-58 共分散評価                                              河野   
  HN01-59 JENDL-3.3の積分テスト:臨界炉心積分テスト               高野   
  HN01-60 New Evaluation of Heavy Nuclide Data for JENDL-3.3      河野   

議事
前回議事録確認

前回(平成13年6月8日)の議事録を確認し,語句の修正を行った.
 p.1 下7行のパラグラフに,報告者名(河野委員)を追加
 p.2 上1行 
 negative resonanceを修正し,$1/v$項を新たに追加した.
 -> negative resonanceと$1/v$を修正した.


提出資料より


○    積分テストWGの高野氏より,JENDL-3.3に関する積分テストの詳細が報告
      された(資料HN01-59).ベンチマークテストに利用した熱中性子炉と高速
      中性子炉について,各炉心の特徴の紹介の後,JENDL-3.3を用いたテスト
      の結果,および他のライブラリ(JENDL-3.2, ENDF/B-VI, JEF-2.2)の結果
      との比較が紹介された.

      JENDL-3.2で報告されていたSTACY,TRACY,JRR-4に対する$k_{\rm eff}$の
      過大評価は,JENDL-3.3では改善されている.\atom{233}{U}の高速中性子
      体系に対するベンチマークテストでも,今回,核分裂断面積が再評価され
      たことから,臨界予測性は良くなっている.しかしながら,最近になって
      \atom{240}{Pu}を含む体系での過大評価が指摘されており,これは未解決
      の問題である.

      反射体を持つ体系に対しては,$k_{\rm eff}$が過大評価される問題があっ
      たが,これはCrの断面積の問題であることが分かり,解決している.


○    中川委員より,高野委員から指摘のあった\atom{240}{Pu}の問題について
      の詳細が報告された(資料HN01-57).$k_{\rm eff}$の過大評価は,
      \atom{240}{Pu}の1 eVの共鳴での捕獲断面積が小さくなったことが原因の
      一つと考えられる.BoulandのR-matrix解析では,
      $\Gamma_\gamma=29.5$ meVとなっているが,これを30 meVにし,さらに
      negative resonanceの$\Gamma_\gamma$を少し変えただけで,捕獲断面積
      はJENDL-3.2の値に近付き,過大評価は改善される.この問題は,村田委
      員と中川委員が検討を行うこととした.


○    松延委員より,\atom{233}{U}の$\nu_p$, $\nu_d$,\atom{235}{U}の
      $\nu_d$,および\atom{233}{U}の非分離共鳴領域の共分散評価の結果が報
      告された(資料HN01-56).GMAを用いた共分散評価であるが,計算のノード
      点が多すぎることと,計算された平均値が実験値よりも低くなっているよ
      うに見えるため,再計算を行う.


○    村田委員より,\atom{240}{Pu}の$\nu_p$の共分散評価作業が完了したこ
      とが報告された.


○    河野委員より,\atom{238}{U}$(n,4n)$断面積共分散の評価結果が報告さ
      れた(資料HN01-58).また,\atom{238}{U}以外の核種に対するMeV領域で
      の捕獲断面積の共分散評価結果が報告された.いづれも厳密に共分散を推
      定するのは困難な量であるので,単純な仮定に基づいた評価を行っている.
      即発核分裂中性子スペクトルの共分散評価は,現在作業中である.


○    ND2001のProceedingsの原稿(資料HN01-60)を検討し,修正を行った.原稿
      の修正がさらにある場合は,なるべく早く河野委員へ連絡する.




その他の議論

○    JENDL-3.3に向けた残りの評価作業を確認した.今回のWGで提出された数
      件の共分散評価がまだ未完了ではあるが,作業は概ね終了したと言える.
      重核評価WGとして会合を開くのは,今回をもって最後とし,今後はメール
      を使って議論を続けることとした.