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各位

渡辺@九大です。

12月18日に開催されました高エネルギー核データ評価WG高エネルギー
ファイル作成SWGの第3回会合の議事録(案)を配送いたします。

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シグマ研究委員会・核データ専門部会・高エネルギー核データ評価WG
高エネルギーファイル作成SWG平成13年度第3回会合議事録(案)

日時: 平成13年12月18日(火) 13:30〜17:00
場所: 三菱総合研究所会議室(CR-2F)
出席者:義澤(三菱総研)、真木(中小企業総合事業団)、村田(アイテル)、
    山野(住友原子力)、小迫(住友原子力)、小田野(原研)、中島(原研)、
    深堀(原研)、渡辺(九大)
           (以上9名、敬称略、順不同)

配布資料:
・高エネルギーファイル作成SWG平成13年度第2回会合議事録(案) 
・HE-F-01-09 炭素、シリコン、マグネシウムの評価進捗状況(VII)(渡辺)
・HE-F-01-10 14N,16Oの中間エネルギー領域と高エネルギー領域の接続性検討(村田)
・HE-F-01-11 クロム同位体の評価作業について(10)(小迫)
・HE-F-01-12 JAMの同位体生成断面積のチェック(深堀)
・HE-F-01-13 高エネルギー核データ評価進捗状況(義澤)


議事:
1.前回議事録確認
 「高エネルギーファイル作成SWG平成13年度第2回会合議事録(案)」
の確認を行い、承認された。

2.報告事項

1)  深堀委員よりND2001終了について報告があった。(最終統計:373名参加、373件 
発表)
  現在、論文のピュアレヴューならびに決算報告書準備中である。
2) 深堀委員より、12月初旬にRIPLに関するCRP会議(IAEA)が開催され、2002年にRIPL-2
  公開予定である旨報告があった。尚、暫定版の検索ページが核データセンターの 
サーバに
  準備(非公開)されているので、必要な委員は深堀委員に連絡すること。
3)  山野委員より、シグマ委員会の2年報(1999/2000)が原子力学会誌1月号に掲載予定で
  ある旨報告があった。

3.評価の進捗状況

3.1 C, Si, Mg
 配布資料HE-F-01-09を用いて、渡辺委員よりC, Si, Mgの評価の進捗状況が報告
された。 C-12について、150MeV以上の弾性散乱角分布のNiita系統式を修正し、
実験値との一致が改善できた。又、JQMDコードの統計崩壊過程に、Furiharaモデルを
組み込んだ計算を行い、 (p,n)反応DDXおよび核種生成断面積の実験値との比較が
示された。これでほぼ入手可能な実験データの解析・評価を終え、ファイル化へ着手
する予定である。Si-28に関しては、200MeVまでの評価を終了し、実験室系
でのDDXへ変換し、JQMDの結果を結合したファイル化作業を終えた。Mgについては、
CC-SRMを使ったOMPのサーチが終了し、GNASH計算に入る予定である。

3.2 14N,16O
  村田委員より、配布資料HE-F-01-10を用いて、14Nと16Oの評価進捗状況報告があった。
中間領域(20-150MeV)の計算結果とJAM(150MeV以上)との接続性について検討した結果が
示された。中性子・陽子入射の全断面積、弾性散乱断面積、弾性外散乱断面積の
接続性については、中性子弾性外散乱断面積に微調整を要するが、概ね良好であった。
陽子、中性子、及びα粒子生成断面積の連続性は概ね良好であるが、複合粒子(d、 
t、3He)
の場合は、JAMの計算結果が小さすぎる傾向があり、検討を要する。又、JAMのRI生成
断面積の値に問題があるとの指摘(以下3.4と関連)があった。

3.3 Cr, Ti, Mn, Ca, K, Zn
 配布資料HE-F-01-11を用いて、小迫委員よりCr, Ti, Mn, Ca, K, Zn同位体の評価
進捗状況が報告された。Cr, Ti, Mn, Ca,K同位体については、QMD部分をJAMに置き換えた
第2次ファイルを作成中であり、Zn同位体については1月末を目処に評価を終える予定
である。

3.4 JAMの同位体生成断面積
 配布資料HE-F-01-12を用いて、深堀委員より、前回会合の宿題事項であったJAM同位体
生成断面積に見られた問題点(かなり大きな値を与える)の調査結果が報告された。
これまでチェックした全ての(x,2n)反応(x=n,p)では、核種生成比(MF=6,MT=5格納) 
が1を超え
ていることがわかった。JAMの結果と実験値との比較を行った委員数名から、1/1000に 
すると、
妥当な結果を与えることが報告され、再度、深堀委員の方で原因究明作業を行うこと 
になった。

3.5 アクチニド核種他
 深堀委員よりアクチニド核種の評価の進捗状況が報告された。250MeVまでのGNASH計算
によるPu同位体の評価を終了した。なお、核分裂断面積にはFISCALコードの結果を採 
用した。
今後はUのマイナー同位体に対する評価を始める予定である。PbとBiについては、以前 
BNLで
行った評価を基に、現在作業を進めている。又、レヴュー作業に向けて、グラフ作成 
ツールを
開発中である旨報告があった。

3.6 Fe他
 義澤委員より、配布資料HE-F-01-13を用いて、Fe同位体をはじめとする担当核種の
評価の進捗状況が報告された。56Feの65MeV(n,xn)反応DDXの評価値と実験値との
比較が示され、高エネルギー部でかなり過小評価を示しており、離散準位への
非弾性散乱断面積の計算に問題があったことが指摘された。今後、入力データを再確認
の上、再評価をする予定である。

3.7 59Co, 197Au
  小田野委員より、担当核種59Co及び197Auの評価進捗状況報告があった。197Auに
ついては、OMPの決定をすでに終えており、早期にGNASH計算による評価を終える
予定である。197Auを最優先し、59Coの評価は、197Auの評価終了後に着手する
予定である。

3.8 Cu
 山野委員より、担当核種63,65Cuの評価進捗状況報告があった。実験データの存在する
核種生成断面積に対して、GMAフィットによる評価を行い、ファイル化を終了する予定 
である。


4.DDXデータのファイル化について

 現在、150MeV以上の高エネルギー領域の計算(JAMやJQMD)は実験室系で、
中間領域(20-150MeV)の結果は重心系(Kalbach系統式オプション)でそれぞれ
与えられている。これをいずれかに統一処理する必要がある。実験室系では数表形式
でDDXを与えるためにファイル容量の大幅な増加になる等のユーザ側からの指摘もあり、
議論した結果、すべての核種について実験室系でDDXデータを格納することで合意した。
なお、GNASH計算結果から実験室系DDXへの変換処理を組み込んだmergeコードは、
小迫委員および孫偉力氏(九大)により開発済であり、利用可能である。軽核(C, 
N,O)
については、実験室系への処理方法について渡辺委員が別途調査することになった。

宿題事項
1) JAM/GEMで計算された150MeV以上のファイルの再確認(深堀委員)
2) 最優先核種(C, O, N, Al, Si, Fe, Ni, Cu, Hg, Pb, B iなど)の評価およびファ 
イル化(各担当者)
  
次回会合は3月5日あるいは6日を予定。

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渡辺幸信
九州大学大学院総合理工学研究院
エネルギー理工学部門
〒816-8580
福岡県春日市春日公園6−1
Phone&Fax 092-583-7586
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