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シグマ委員会・核データ専門部会
評価計算支援システムWG議事録(案)

日 時: 2002年2月25日 13:30-17:30
場 所: 霞山会館「ぼたん」
出席者:大澤(近大)、浅見、松延(以上データ工学)、中村(−)、
         岩本、中川、深堀(以上原研)     (順不同、敬称略)


配付資料:
ECSS-01-01:IAEA協力研究計画(IAEA/CRP)「核データ評価のための原子核模型
            パラメータのテスト(Reference Input Parameter Library, 
            version 2, RIPL-2)」第3回研究調整会合報告(深堀)
ECSS-01-02:統合モデルによる原子核質量&準位密度公式(III)(中村)
ECSS-01-03:重アクチニド核における核分裂片加速途中の中性子放出の検討
           (大澤)
ECSS-01-04:評価計算支援システムWG平成13年度活動報告・14年度活動計画
           (運営委員会資料、深堀)


議事:
1.前回議事録確認
 「3.準位密度」4行目の「ついエネルギー」を「対エネルギー」に訂正し、
確認された。

2.一般報告事項
 深堀リーダーから、ND2001、WPEC会合、JENDL-3.3について報告があった。
ND2001の報文集には375件の論文が掲載予定であり、現在原稿修正中である。
報文集発行は4月以降になる予定である。WPECは本年5月23,24日にGeelにて、
モデルコード会合に引き続き開催予定である。JENDL-3.3は3月末に公開予定であり、
100核種以上が修正され、合計337核種が格納されている。JENDL-3.2の340核種から
減って見えるのは、天然元素を除いたためであり、実際の核種数は増加している。

3.RIPL-2についての報告
 深堀リーダーより配付資料ECSS-01-01に基づき、「核データ評価のための
原子核模型パラメータのテスト(Reference Input Parameter Library, version 2, 
RIPL-2)」第3回研究調整会合の報告があった。各セグメント毎のフォーマット
及びデータの格納がほぼ決定され、公開へ向けての最終作業が進行中である。

4.準位密度公式
 中村委員より配付資料ECSS-01-02に基づき、統合モデルによる原子核質量及び
準位密度公式検討の進捗状況が報告された。質量公式の適合誤差の検討により、
提案された質量公式の誤差はMyers-SwiateckiやMollerらのものに比べて小さい
ことがわかった。今後、橘−小浦らのものと比較して欲しいとの提案があった。
中性子共鳴間隔を評価するMFコードについての報告があり、ミッシングを考慮した
平均中性子共鳴間隔の評価結果は実験データと良い一致を示している。
準位密度の系統性を検討し、励起スペクトルの検証を行った。一部、問題は
残るが概ね良好な結果を与えている。今後、これらの結果をプログラム・
モジュール化し、公開して欲しいとの提案があった。

5.核分裂スペクトル
 大澤委員が配付資料ECSS-01-03に基づき、重アクチニド核における核分裂片
加速途中の中性子放出の検討に関する報告を行った。Am, Cm等の重アクチニド
核の核分裂スペクトルにおいて、1 MeV以下の低エネルギー成分が計算値より
高めになる傾向がある。この原因にはいくつかあるが、核分裂片加速途中の
中性子放出を仮定して検討を行った。中性子放出のTiming Factorを導入し、
核分裂片加速途中の中性子放出割合と合わせてパラメータとして、解析を
行った。熱中性子に対するAm-242m及びCm-245に関する解析結果から、
核分裂片の最終運動エネルギーの70%時点で放出される中性子が約30%という
仮定を行うと実験値を再現しうることがわかった。重アクチニド核種ほど
核分裂のQ値が大きくなり、初期核分裂片の励起エネルギーが高くなるため、
中性子放出時間が短くなると考えられる。今後、このモデルの核種及び
入射エネルギー依存性を検討する予定である。

6.平成13年度活動報告・14年度活動計画
 深堀リーダーよりECSS-04に基づき、本WGの平成13年度活動報告・
14年度活動計画の提案があった。平成14年度は、各分担は従来通りとし、
日本独自の評価用コードの検討を開始することとした。

7.その他
  次回の会合は、未定。
予定議題は次の通り。
  1.質量公式について(小浦氏)
  2.アクチニドの高エネルギー領域での評価について(Konobeyev氏)
  3.評価用コード会合報告(河野委員)
  4.ENDF-7フォーマットについて(深堀委員)
  5.各担当の進捗状況
  6.次期国産コードに関する検討