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各位
柴田@原研核データセンターです。

2002.10.30に開催された次期JENDL検討小委員会議事録(案)を
配信致します。

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           第2回次期JENDL検討小委員会議事録(案)

日 時:平成14年10月30日(水)  13:30-17:10
場 所:住友原子力工業(株)会議室
出席者:古林徹(京大)、西谷健夫(原研)、辻本和文(原研)、河野俊彦(九
大)、
    瑞慶覧篤(日立)、田原義壽(三菱重工)、山野直樹(住友原子力)、
    石川眞(サイクル機構)、千葉敏、深堀智生、岩本修、柴田恵一(原
研)

配付資料
J4-10	加速器を用いた中性子捕捉療法照射システムに於ける
	核データの取り扱い	                             古林
J4-11	小型陽子加速器による病院併設型BNCT照射システム	     古林
J4-12	JENDL-4に対する核融合分野からの要望	                 西谷
J4-13	高エネルギー加速器遮蔽に於ける核データライブラリー
	の必要性について	                                   中島
宏
J4-14	JENDL-4に対する臨界安全からの要望	                 中島健

議事
1.	前回議事録確認
 前回議事録を無修正で承認した。

2.	加速器を用いたBNCT照射システムにおける核データニーズ
 古林氏が加速器を用いたBNCT照射システムの観点から、必要核データについて
報告し
た。(配付資料J4-10、J4-11)中性子源としての7Li(p,n)反応(閾値:1.881
MeV)の閾エ
ネルギー付近の断面積・角度分布データ及び被曝の観点から7Li(p,nγ)、7Li(p,
pγ)断面積の
評価が必要となる。

3.	核融合分野からのJENDL-4に対する要望
 西谷氏から配付資料J4-12に基づき、具体的な要望が提出された。以下にそれ
を掲げる。
*	中性子増倍材(n,2n)データの精度向上(Be、Zr、Pb)
*	ガンマ線生成データの充実。Zr、Vの(n,γ)データ。Sn同位体へのガン
マ線データの付
        与。
*	OKTAVIAN、FNS積分実験解析から要再検討データ。Li、C、F、Al、Si、
V、Ti、
        Fe、Co、Ni、Zr、Mo、Nb、W。
*	KERMAの計算のため、軽核からの荷電粒子スペクトル(PKAを含めて)が
必要。
*	荷電粒子(p、d、t、3He、4He)入射反応断面積および放出粒子スペク
トル。プラズマ診
        断(例えば、9Be(p,a))、低放射化材料中でのシーケンシャル反応評価
(例えば、48Ti(p,n))、
        プラズマに面する材料の不純物保持量評価((p,x)、(d,x)、(a,x)反
応)等のため。
*	IFMIF用の核データ:中性子入射反応では、最大エネルギーを60MeVに拡
大する必
        要がある。40MeV以下の重水素入射反応データは、ターゲットからの中
性子生成評価、
        構造材の放射化評価に必要となる。
*	核データの不確かさが核融合炉の設計、安全性評価に与える影響を明ら
かにする上で、
        誤差データが必要である。

4.	核変換からのJENDL-4に対する要望
 辻本氏がADSによる未臨界炉における核データの問題点について報告した。燃
焼反応度
変化を精度良く予測するために、マイナーアクチニド(MA)核種データの精度向
上が望ま
れる。現時点では、UO2燃料からのMAを装荷した初期炉心の中性子実効増倍率
は、ライ
ブラリー間で1%、MOX燃料の場合は2-3%程度ばらついている。MAの断面積、nu及
び核
分裂収率データの精度向上が望まれる。また、誤差データも重要である。

5.	高エネルギー核データの重要性
 主に加速器遮蔽の観点から纏められた中島(宏)氏の資料(J4-13)を柴田委
員が代読し
た。散乱断面積、核種生成及び放射化断面積、核分裂断面積について核種毎の
ニーズ及び
優先順位が与えられている。中島氏は、これらのデータは、汎用ライブラリーよ
りは特殊
目的ファイルとして扱った方が良いのではとコメントしている。

6.	臨界安全からJENDL-4に対する要望
 中島(健)氏からの電子メール(J4-14)を柴田委員が代読した。以下のよう
な要望があ
った。
*	一般論として、235,238U、238,239,240,241,242Pu断面積の精度維持・
向上を希望する。
*	MA、特に、241Am、242,244Cmの吸収断面積の精度向上を希望する。
*	PIE解析結果から、147,149,152Sm、155Gdデータの精度が不十分であ
る。150Sm、143,145Nd、
        133Cs、153Eu、103Rh、99Tc、95Moも含めて、吸収断面積の精度向上を
期待する。
*	鋼材、コンクリートの構成元素データの精度維持・向上を希望する。
*	有機溶媒中の水素の散乱則データが望まれる。

7.	その他
 次回会合まで各分野からの要望の聞き取りをおこない、その後、2回の会合で
本小委員会
での議論を纏める。

次回会合
  日時:2002年12月19日(木)13:30−17:00
  場所:住友原子力工業会議室
  トピックス(予定)
    天体核データ       原研 千葉氏
    PKA、損傷データ      東大 関村氏
    原子力ダウンストリーム  田原委員があたる。
    放射性医薬品製造     医学用WGで推薦して頂く。