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河野@九大です.
先日開かれましたFPのworking groupの議事録案をお送りします.
F00FC7C8
####- KAWANO Toshihiko://Advanced Energy Eng. Sci., KYUSHU -##
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FP核データ評価WG平成14年度第2回会合議事録(案)
日時 平成15年1月24日(金) 13:30 -- 17:30
場所 日本原子力研究所東海研究所 第2研究棟2階 221会議室
出席者 柴田 恵一, 中川 庸雄, 千葉 敏, 石川 眞, 川合 将義,
瑞慶覧 篤, 杉 暉夫, 松延 廣幸, 村田 徹, 河野 俊彦
配布資料
FP02-8 追加希望FP核種とデータの現状 中川
FP02-9 FP核種の励起準位の比較 中川
FP02-10a 「中性子ポテンシャルの現状」p.85 中川,渡部
FP02-10b J. Nucl. Sci. Technol., 29, 195 (1992), Table 1 中川,渡部
FP02-11& γ線強度関数 河野
議事
議事録確認
2002年7月5日に行われた第1回会合の議事録の確認を行い,幾つかの語句の修正
の後,議事録は承認された.
提出資料より
○ 中川委員より,核データライブラリへの追加希望があるFP核種について
の再確認が行われた(資料FP02-8).現状では,JENDLに格納されていない
核種が必要なとき,その核種だけENDFのものを用いており,一貫性が無
いことがユーザからのデータ要望の理由である.追加希望核種として挙
げられているものは,86Rb, 90Y, 105Ru, 126Sb,
132Te, 130,135I, 140La, 143Ce, 151Pm,
157Eu, 160Tb の12核種である.今まで,FP核種として半減期
が10日以上であることと核分裂収率が0.1%以上であることを判断基準に
核データ評価が行われてきたが,JENDL-3.3には84SrやDyの同位体
が含まれていない.これらの核種については新たな評価を行うこととし
た.
○ またJENDL-4に向け,既存の一部核種のデータについても,さらなる精度
向上が求められている.PIE解析ではMoからGdに至る10数核種のデータ精
度向上が,臨界安全の面から要求されている.この件については,実際
に重要となるエネルギー領域等,詳細な点が不明であるので,関係者に
連絡して具体的な内容を調査する.
○ 中川委員より,FPデータ評価で用いられた各FP核種の励起準位と,
RIPL(ENSDF)に格納されている励起準位の比較の結果が報告された
(資料FP02-9).レベルの積み上げ図と,FP評価に用いられた準位密度
パラメータ(定温度領域)の比較を行ったが,核種によっては
励起準位が幾つか抜けているものも見られた.
準位のスピン・パリティが不明であることが,準位が抜
けている理由の1つであるが,実際の統計模型計算ではスピン・パリティ
を仮定しておいたほうが望ましい.全核種について,準位データの見直
しとスピン・パリティの推定を,委員が分担して行うこととした.
○ JENDL-3では準位密度パラメータaは,平均共鳴幅D0から求めている.
この数値とRIPLに入っているGilbert-Cameron型準位密度パラメータの比
較を行う.
○ 渡部委員より用意されていた資料FP02-10に基づき,FP核種評価に用いら
れた光学ポテンシャルについての検討を行った.断面積計算に用いられ
た光学ポテンシャルは,全断面積・散乱半径・強度関数を再現するよう
に決められたものであるが,実際には全断面積の再現性が良くない核種
も存在する.また,評価の過程において,断面積毎に違う光学ポテンシャ
ルを用いるなど,一貫性に欠けたものもある.新しいFPデータの評価と
しては,Koning-Delarocheのglobal potentialを考え,FP領域に特化さ
せたポテンシャルを推定する.その前段階として,KD global potential
がFPの全断面積データをどの程度再現できるのかを,幾つかの核種でテ
スト計算する.
○ Kopecky-Uhlのγ線強度関数が河野委員から紹介された(資料FP02-11).
これは通常のLorentz型と比較し,低エネルギー側で改良され
た関数形をしている.この強度関数を用いた捕獲断面積計算の方が,通
常のLorentz型の計算値よりも精度が良いことが報告されているが,
<Γγ>/D0の測定値を用いて捕獲断面積を再
規格化する場合は,この関数形を用いる効果はあまり無い.
○ CASTHYでは,準位密度項式としてGilbert-Cameronを用いているが,
Ignatyukの準位密度項式が使えるようにCASTHYを改造できるかどうかを
検討する.また,γ線強度関数にKopecky-Uhl型が使えるよう改造
できるかも,併せて検討する.
○ 共鳴パラメータの再評価についての議論を行った.共鳴パラメータについ
ては,旧評価以降新たに測定された実験データや共鳴解析があれば,そ
れらに基づいた再評価を行う.来年度,そのためのデータ調査を行う.
来年度以降計画
平成15年度以降のFPWGの活動についての議論を行った.グループリーダを,河野
委員から柴田委員に交替することが承認された.また,新しいメンバーとして,
積分テストや共鳴解析に興味がある人もしくはその経験者を探し,来年度以降WG
に参加してもらう.
次回会合
未定