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      シグマ委員会平成9年度第1回運営委員会議事録(案)

日 時:1997年5月9日(金)13:30〜17:30
場 所:原研本部 第5会議室
出席者:中嶋(法大、主査)、石川(動燃)、井頭(東工大)喜多尾(データ工学)、
    北沢(東工大)、瑞慶覧(日立)、山野(住原工)、中川(原研)、前川(原研)、
    水本(原研)、長谷川(原研)
  幹事:柴田(原研)、片倉(原研)
  オブザーバー:川合(東芝)、原田(昭和大)、深堀(原研)

配布資料
1.平成8年度第4回運営委員会議事録(案)
2.遅発中性子ワーキンググループ第一回会合議事録(案)
3.中重核及び重核評価 WG の設置について(案)
4.核データ専門部会平成8年度活動報告及び平成9年度計画
5.炉定数専門部会平成8年度活動報告及び平成9年度計画
6.核燃料サイクル専門部会平成8年度活動報告及び平成9年度計画

議事
I .中川原研原子炉工学部長の挨拶
  4月の原研の人事移動で原子炉工学部長に就任した中川部長より挨拶があり、効率的
 に且つ実効が上がるように委員会活動を進めて欲しい旨要望が出された。

II .議事録確認
1.前回運営委員会議事録の確認
 以下の訂正の後確認した。
  p2 下5行及び6行 CINDAR → CINDA

III .報告事項
1.原研、委員会人事
  長谷川委員より議事I.で既にあったように原研原子炉工学部長が中川部長に変わ
 たことの報告があった。

2.2年報編集委員について
  柴田幹事よりシグマ委員会活動の原子力誌の2年報の編集委員は、石川委員(動燃)、
 浅見専門委員(データ工学)、岩本専門委員(原研)、片倉幹事(原研)に頼んである
 ことの報告があった。
  2年報については、委員より
  @ 記事が役に立たなく、面白くない。ユーザー側に立った記事が必要である。
  A 報告的な記事は出来るだけ表に出来ないか。
  B 囲み記事的なものを入れられないか。
 等のコメントがあった。これらの事項については編集委員会で検討することとなった。
 なお、井頭委員より、「高エネルギーの特集号を来年1月号に掲載する予定であるので、
 ダブらないようにしたい」との発言があり、12月号に掲載するよう学会の委員会で提
 案することとなった。

3.遅発中性子ワーキンググループ会合について
  今年度より発足した、上記ワーキンググループの第一回会合が4月26日に行われた
 ことを、配布資料2に基づき、片倉幹事が説明した。岡嶋委員が Obninskで開かれた遅
 発中性子データ専門家会議に出席したこと、また、同時に開かれたNEA/NSC の SG6 
 Advisory Committee 会合で本 WG でまとめた SG6の活動計画が了承されたことなどが
 報告された。

IV .審議事項
1.中重核及び重核評価 WG の設置について
  配布資料3に基づき柴田幹事より説明があった。「JENDL-3.2問題点検討小委員会」
 の答申に基づき、JENDL-3.3に向けた改訂作業を行うために、核データ専門部会内にワ
 ーキンググループを設ける。今年度を含めて3年間活動する予定である。ワーキンググ
 ループメンバーに関して審議の結果重核のグループに瑞慶覧委員も参加することとなっ
 た。なお、新しい核種としては中重核に Er が追加される予定である。

2.ワーキンググループ活動報告
  前回の運営委員会で報告が残った以下のワーキンググループについて平成8年度の活
 動報告及び平成9年度の活動計画が説明された。

1)高エネルギー核データ評価ワーキンググループ
  配布資料4に基づき、深堀グループリーダーより説明があった。高エネルギー核デー
 タとして、IFMIF 用の 50 MeV までの中性子入射反応、50 MeV までの陽子入射反応、
 1GeVまでの評価、評価用計算コードの整備等を行っている。ファイルフォーマットは基
 本的には従来と同じであるが、MT番号は変わる。高エネルギーデータに関し、以下のコ
 メントが出された。
  @ どういう核種が必要か Priority リストが必要である。
  A 使えるものは必ずしも完全でなくとも release していく必要がある。
 また、重核が評価に入ってないことに関して、質問があったが、「fissionの取り扱い
 が難しい。使える実験データや理論が無い」との回答があった。

2)評価計算システムワーキンググループ
  配布資料4に基づき、専門部会長の井頭委員より説明があった。設置後4年間を振り
 返り、 W.G.の検討成果を評価者にフィードバックするよう努めるとともに、ワーキン
 ググループの名称を「計算システム評価 W.G.」としたい。
  ワーキンググループ活動に対して以下の議論があった。
  @ 具体的な活動目標がないグループであるので、今後、ISTCで依頼している評価の
   レビューをこのグループにやって貰いたい。
  A 日本の評価法の開発等やるべきことはある。
  B 名称は、「理論システム評価 W.G.」としたらどうか。
 活性化を計り、本来の目的である誰でも使える評価システムを作るためには、メンバー
 を変更する等再編成する必要がある。議論の結果、井頭専門部会長が運営委員会で活性
 化についての議論があったことをW.G. メンバーに知らせ、活性化案を出して貰うこと
 となった。

3)FP 核データワーキンググループ
  配布資料4に基づき川合グループリーダーより説明があった。ほぼ初期の目的を達し
 たので、後一回の会合を持って終了としたい。JENDL-3.2 の問題点の改訂は「JENDL-3.2
 改訂 W.G.」に引き継ぎたい。後一回の会合で終了とすることを了承した。

4)放射化断面積ワーキンググループ
  配布資料4に基づき井頭専門部会長より説明があった。この説明に対し、運営委員会
 への出席者にメンバーがいないこともあり、具体的な活動目標が分からないとの指摘が
 あった。

5)PKA スペクトルワーキンググループ
  配布資料4に基づき川合グループリーダーより説明があった。JENDL Fusion Fileを処
 理して69核種(資料では72核種であるが69核種が正しい)の PKA/KERMAファイル
 を作成した、水素等の軽核の処理を進めている。検証作業、レポート作成を今後進める。

6)荷電粒子核データワーキンググループ
  配布資料4に基づき、井頭専門部会長より説明があった。(α,n)反応断面積の見直
 しを進めている。見直し作業終了後、角度分布の問題に着手する。放出2次中性子スペ
 クトルは、薄いターゲットを目標として、厚いターゲットによるスペクトルは、ユーザ
 ーに任せたい。

7)リアクター積分テストワーキンググループ
  配布資料5に基づき、山野専門部会長より説明があった。積分テストにより、JENDL-
 3.2の問題点を整理した。平成9年度はベンチマーク炉心モデルのまとめや軽水炉燃焼
 のベンチマークテストを実施する。平成9年度の計画に対し、「U-235 断面積及び U-
 238非弾性散乱断面積の検討とベンチマークが入っているが、平成8年度との違いは何
 か」との質問があり、ワーキンググループメンバーである石川委員より、「JENDL-3.2
 の改訂版が出来たらそれに対応して検討したい」との回答があったが、むしろMaslov 
 等の評価データのチェックをやって欲しいとの要望が出された。

8)Shielding 積分テストワーキンググループ
  配布資料5に基づき、山野リーダーより説明があった。遮蔽ベンチマークテストを
 ORNL Broomstick のデータに対し MCNP4Aを用いて実施した。中高エネルギー領域の検
 討では、Thick Target Yieldを核データを用いて算出する TTNY コード(Monte Carlo
 コード)の検討を行った。平成9年度は、Sodium遮蔽積分テスト、遮蔽ベンチマークテ
 ストの結果取りまとめ、中高エネルギー領域の加速器遮蔽設計手法の検討を行う予定で
 ある。この計画に対し、感度解析の手法を検討して貰えないかとの要望が出され、グル
 ープで検討することとなった。また、設計手法の検討は炉物理委員会と競合するのでは
 ないかとの質問があったが、本グループでは、ベンチマーク実験との比較を通し核デー
 タの設計への適用性を検討することが主であるとの返答があった。

9)Dosimetry 積分テストワーキンググループ
  配布資料5に基づき、山野専門部会長より説明があった。JENDL Dosimetry Fileの改
 訂版の積分テストの結果はほぼ妥当であるので、早く公開する方向で作業を進めていく。
 この活動に対し、中高エネルギーとなったときに、Standardとなるものを設定する必要
 があるのではないかとのコメントが出された。

10)Fusion Neutronics 積分テストワーキンググループ
  配布資料5に基づき、山野専門部会長より説明があった。積分テストによるJENDL-3.2
 の問題点の整理はほぼ終わり、総合レポートを作成して終了する予定である。JENDL-3.2
 の問題点は JENDL-3.3 に反映されることになる。

11)標準炉定数検討ワーキンググループ
  配布資料5に基づき、長谷川リーダーより説明があった。JSSTDLライブラリーの修正
 を進めている。今後ライブラリーの公開、高エネルギー群定数の検討等を進めていく。
 また、リーダーの交代を考えている。このワーキンググループに対し、群定数のライブ
 ラリーを作っているのかとの質問があったが、ライブラリーの作成より基本的な取扱を
 どうするかの検討に主眼をおいているとの回答があった。また、高エネルギーファイル
 について炉物理委員会との連絡を密にとるようにとのコメントが出された。

12)崩壊熱評価ワーキンググループ
  配布資料5に基づき、片倉幹事より説明があった。崩壊熱計算値と実験値の残された
 不一致の解消、崩壊熱システマティックスと誤差評価の検討を進めるとともに、核種生
 成量評価ワーキンググループのORIGEN2コード用の一群定数作成に合わせ、核分裂収率
 及び崩壊データを作成する。

13)核種生成量評価ワーキンググループ
  配布資料5に基づき、片倉幹事より説明があった。ORIGEN2用一群定数ライブラリー
 及び崩壊定数ライブラリーの作成を進めた。一群定数ライブラリー整備のため、PWR、
 BWR 及Sv?FBR 用の炉心モデルを決め JENDL-3.2を用いた燃焼計算を実施した。今後作
 成した一群定数の妥当性を集合体の燃焼計算結果と比較し検討する。また、プルサーマ
 ル炉心の一群定数の検討を行う。このワーキンググループの活動に対して、タイムリミ
 ットを決めて進め、今後の方針を明確にして貰いたいとの意見が出され、部会長にどう
 するか決めて貰うこととなった。

V.その他
1.核データセンターの WWW ホームページについて
  柴田幹事よりホームページそのものは復旧した旨報告があった。ただし、データの復
 旧は途中であり、6月中の完全復旧を目指しているとの説明があった。

2.本委員会への対応について
  トリエステ会議について吉田委員に報告してもらう。その他、専門部会長の話、JENDL
 -3.3 に向けての話等をしてもらう。

3.委員会の日程
本委員会:7月17日または18日
次回運営委員会:7月3日または4日

VI .宿題事項
1.計算評価 W.G.の9年度の活動計画を練り直して報告してもらう。
2.核種生成量評価 W.G. の9年度の活動を明確にして報告してもらう。