リアクター積分テストWG議事録(案)
日時 : 2002年3月12日(火) 13:30-16:00
場所 : 日本原子力研究所東海研究所 第2研究棟2階221会議室
出席者 : 石川眞、亀井孝信(以上サイクル機構)、三田敏男、瑞慶覧篤(以上日
立)、田原義寿(三菱)、山本宗也(日本nuclear fuel)、秋江拓志、飯
島進、大井川宏之、高野秀機、中島健、中野佳洋、長谷川明(以上原
研)
発表者: Ponomarev(RRC)、Artisyuk(東工大)、山本徹(原子力発電技術機構)、
森貴正(原研)
欠席者: 池田一三(三菱)、岩崎智彦(東北大)、宇根崎博信(京大)、金子邦男
(総合技術情報機構)、佐治悦郎(原子力安全委員会)、竹田敏一(大阪
大)、長家康展(原研)
配布資料 :
資料 13-1 リアクター積分テストWG議事録(案) (秋江)
資料 13-2 JENDL-3.3のベンチマークテスト(最終版?) (高野)
議題 :
1) Program of Measurement of Minor Actinides Nuclear Data
ロシアIPPEの Ponomarev(ポノマリョフ)氏より、ISTCプロジェクトに提案
中の、溶融塩炉ベースの加速器駆動核変換システムのためのマイナーアクチ
ニド核データ測定計画の概要が説明された。
プロジェクトは、Np, Am, Cmなどの同位体の 0.5 - 100eV及び20keV - 12
MeVのエネルギー範囲での微分測定、積分実験、炉内照射、ベンチマーク及
び評価などからなる。
JNCと行なっているISTCプロジェクトとの関連、違いはという質問に対し、
このプロジェクトは溶融鉛炉を考えているため、熱エネルギー領域のデータ
に重点をおいているとのこと。MAのサンプルは新たに入手する必要はなく、
既にある。熱エネルギー領域の、特にAm-241断面積は現在問題となっており、
新しい実験データは大変貴重であり、2200m/s値の測定が要望された。
2) 前回議事録の確認 (資料 13-1)
参加者氏名に抜けがあった。
"1) JENDL-3.3のベンチマーク結果" において、U-235断面積のkeV以下の改
訂効果に関する記述を、"スペクトルの軟らかいU-235高速炉心等で検討する
必要がある" に改める。
"7) JENDL-3.3による燃焼計算" では、"U-238共鳴積分の調整に関する質問
があった" とする。
"8) 今後の予定" の "FCAドップラー実験解析" の部分は削除する。
3) JENDL-3.3のベンチマークテスト (資料 13-2)
2002年2月25日時点におけるJENDL-3.3を処理して、79核種分のMVPライブラ
リーと、31核種のJFSライブラリーを作成し、ベンチマークテストを行なった。
ベンチマーク計算結果はおおむね前回と同様。今回、TCA Pu炉心の経年変
化に関するベンチマークを行ない、実効増倍率の計算値の時間変化の勾配は、
JENDL-3.2からJENDL-3.3になって減少した。全体として実効増倍率のC/E値は
1±0.5%の範囲に収まったが、常に過小評価となるTRXは別に、FLATTOP-Puと
ZPPR-9、ZPPR-13Aがわずかに0.5%以上の過小評価となった。ZPPR-9、ZPPR-
13Aがわずかに0.5%以上の過小評価となった。
ZPPR-9炉心のドップラー反応度がJENDL-3.2に比べても過小評価となった。
これについて、各種補正係数がJENDL-3.2の時のもので、当時はこれでモン
テカルロ計算とよく一致したが、JENDL-3.3の場合モンテカルロ計算は決定
論的手法よりもZPPRのドップラー反応度を高く評価するため、C/E値が1に近
づくとコメントされた。
ZPPR-9のF25/F49反応率比が2%程度の過大評価であるのに対して、FCA17-1
炉心では逆に2%の過小評価となる(JENDL-3.2でも同様)。これまで見られな
かった傾向であり今後検討してみたい。
JENDL-3.3ベースのMVP及びJFSライブラリーは、FPなど今回処理していな
い核種も含めて、6月末をめどに公開したい。
4) 2002年度の予定
- WGリーダーの交代。高野氏から、原研・炉物理研究グループの森氏に引き
継ぐ。
- JENDL-3.3に基づく各種ライブラリー(MVP, JFS, SRAC)の公開。
- MISTARL解析。Pu燃料水炉における増倍率解析値の経年変化の検討。測定
値が大きく2つのグループに分れる、Am-241の熱中性子断面積評価の再検
討。
- 原研・奥村氏によるベンチマーク計算システム構想などを用いたベンチマ
ーク計算。
- 感度解析。熱中性子炉感度解析システムの検討。
- 燃焼ベンチマーク計算。