Previous meeting (2002/03/15)
崩壊熱評価ワーキンググループ会合議事録
開催日時:平成15年2月20日(金)13:30〜18:00
(原子力学会事務局会議室)
出席者:安藤良平(東芝),池田一三(三菱重工),大川内靖(サイクル機構),
貝瀬與一浪(新型炉技術開発),片倉純一(原研),瑞慶覧篤(日立),
橘孝博(早大),田原義寿(三菱重工),吉田正(武蔵工大),
オブザーバー:太田博己氏
配布資料:a.前回会合議事録(吉田委員)
b.Greenwood論文のデータを使ったE-betaおよびE-gammaの計算(橘委員)
c.日本原子力学会標準委員会資料(太田氏)
d.アクチナイド崩壊熱 (LA-8041-MS Appendix-Eより)(吉田委員)
e.ORIGEN2アクチナイドライブラリー(片倉委員)
f.原子力安全委員会安全指針集の崩壊熱データ(吉田委員)
1.前回議事録確認
1)前回(平成14年3月15日)の議事録確認を行った。
2.議事
1)TAGSデータからの崩壊エネルギー計算
橘委員より,資料bに基づいて,Total Absorption Gamma-Ray Spectroscopy(TAGS)を用
いたGreenwoodらの測定値に基づくE-betaおよびE-gammaの計算結果が報告された。E-gamma
はJENDLより大きくなる傾向が見られる。JENDLが測定値を用いているか,理論値を用いて
いるかを個々に区別した比較を行うとともに,今後の方針を橘・吉田で検討することとし
た。また,これらの結果を,TAGS測定を計画しているバレンシア大学のグループにも伝え
ることとした。
2)原子炉崩壊熱の標準化に関わる今後の方針の検討
オブザーバーの太田氏より,資料cに基づいて,日本原子力学会標準委員会の活動の概
要が紹介された。同委員会発電炉専門部会は原子炉崩壊熱の標準化を日程にあげており,
そのための基盤構築を本WGに依頼したいという趣旨が説明された。WGとしてはこれを基本
的に了承したうえで,標準化がどうあるべきかを議論し,以下の諸点について合意された。
さらに次回以降の会合で議論を深める。
・資料dにあるように,FP崩壊熱に対する補正因子としてアクチナイド崩壊熱を与える
のは無理がある。
・アクチナイドの崩壊に関わる核データは,量的にも資料e程度で,見直しは容易であ
る。(大川内委員は常陽の崩壊熱解析に際して見直しした経験がある。)
・FP崩壊熱は学会推奨値(1989)と現在のJENDL FP Decay Data File 2000による計算
値はほぼ整合的であるので,これらを基本に標準化を考える。
・アクチナイド崩壊熱は,燃焼計算に用いる断面積データ,炉心の燃焼モデル化の方法
等に強く依存する。点燃焼コードORIGEN-2と同コードの為にJENDLから作った核デー
タファイルの組み合わせを基本に,標準化を考えるのが妥当と考える。この方向で問
題点の摘出と個々の問題点への対処法を今後検討してゆく。
・上記の観点から核種生成量評価WGにも協力を求める。
3.報告事項
1)常陽での崩壊熱測定
大川内委員より常用における崩壊熱測定結果とその解析について報告があった。解析は
可能な限り詳細に行っているが,冷却時間数十日から600日まで,C/Eは0.95〜0.90程度で
ある。
宿題事項:
1)TAGSデータからの崩壊エネルギー計算の継続と方針検討(橘委員,吉田委員)
2)常陽での崩壊熱測定から得られた知見のまとめを次回会合で報告する(大川内委員)
次回会合:平成15年度に少なくとも1回開催する。